お客様! [ 2010/06/18 ]
今日はなんと家内の友人が明石から来ていただきました!
最近になって着物にハマってしまたらしく、30℃を超える暑い中、涼しげな単衣のお着物でいらっしゃいました。本当にありがとうございます。
さて、本日のご相談内容ですが、「お母様から頂いた大島紬にシミが出てしまった」というのと、「伯母さまから頂いた紬を着たいのだけれどもシミがあって…」というものでした。
そこで、拝見させていただくことに。前者の着物は上前と袖中心にカビによる黄変が多く出ている状態でした。カビによるシミはきれいに抜くのは非常に難しく、また黄変をぬくと同時に絣の文様まで抜いてしまう恐れもあり、なかなか手ごわい相手です。そこで、仕立てによってなるべくシミが目立たないように身頃を入れ替え、尚且つ目立つシミは処理していく方法にさせていただきました。また、その際に「八掛けも交換したい」ということでしたので現状の八掛けの色を抜いて、新しい利休鼠系の色に染め変えすることを提案させてい
次に後者の着物ですが、これはちょうどお尻にあたる部分が大きく変色してしまってました。こうなるとなかなかシミ抜きでは対応が難しくなってきます。そこで、この着物も一度反物の状態にしてから、全体に色を掛けることによってシミを目立たなくする方法を提案させていただきました。
結果、前者は提案どおり。後者は色を掛けていつでも仕立てられる状態までということになりました。2枚も仕立て替えすると結構費用がかかりますからねえ。
今回は大島紬に発生したカビ、シミによるご相談でしたが、経験的にも喪服や、留袖、大島紬といった商品は結構カビによるシミ抜きの依頼が多いように思います。これはその着物の加工上の特性にもありますが、もう一方では地色が濃いのでカビが目立ちやすいということもあるのかも…。なんて思いますね。
なんにせよ、着物は「着る物」であって決して「置き物(おきもの)」ではあって欲しくはないですね。
これからも、着物を着る方のお役に立つよう精進していきますので、どうぞよろしく。
追伸:弊社へ来られた後、お二人は家内とともに近所の京野菜料理が食べ放題の店へ楽しげに出かけられました。お味はいかがだったでしょうか?
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